さんまが人前で唯一、人前で流した師匠の言葉
師匠は、こう語りかける。
「今の若い奴らは全然、わかっていないな。」
「笑いを。」
「でもな、」
「若いやつで一人だけ面白いやつがいるんだ。」
「とにかく、おしゃべりなやつで、」
「師匠に向かってセンスあるとか言ってきて。」
「生意気だとか言う人もいるけど。」
「誰がつけたのかヘンテコな名前なんだけど、とにかく面白いやつだよ。」
初めて人前で泣いた。
師匠は逃げた翌日から周囲に頭を下げて、
こう言っていたらしい、
「さんまは必ず、戻ってきますから。その時はどうか宜しくお願いします。」
「どうか宜しくお願いします。」
影響を受けた尊敬する師匠の言葉が、
「人間っていうのは、裸で生まれてきて、服一枚着てたら勝ちなんだ。」
「1回オモツでもすれば、もう人生勝ちだ。」
その言葉を全身に刻み、
そして、その言葉を自分なりに表現するなら、
「人間 生きてるだけで丸儲け。」
師匠のお陰で芸人に戻れ、
少しずつ大きな仕事が入るようになり、
日本中の人に名前を覚えてもらうまでになった。
寝る間もないほど忙しくなり、
師匠のもとを離れ、東京で仕事をすることが多くなったが、
師匠から、毎週欠かさず手紙が届いた。
出演した番組の感想や改善点、師匠が最近見たおもしろい本や映画のことなど、
沢山の貴重な助言がしたためられていた。
ファイル何冊もの手紙を何度も読み返し、大事に保管している。
「師匠と出会っていなかった・・・どうなっていたんだろう。」
そして、
すぐに師匠の通夜へ向かった。
いつものジーパン姿で。
「喪服なんかいらないよ。そんなもん着たら・・・。」
「ほんとに死んだみたいだろ。」
「師匠がいなかったら、芸人になっていない。」
「師匠。
「オムツどころか立派な着物着てるじゃないですか。」
「人生、圧勝でしたね。」
生きてるだけで丸儲け
沢山笑って、沢山笑わせた芸人だった。
人生を目一杯、楽しむということを最後まで貫いた人だった。
「最後に着物、畳みたかったなぁ。」
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師匠がさんまさんへ贈った最後のメッセージです。